EU交渉入りに不透明感=ウクライナ巡り駆け引き―ハンガリー 2023年12月03日 07時23分

 【ベルリン時事】東欧ハンガリーが、ウクライナの欧州連合(EU)加盟交渉入りに反対し、今月14、15両日に開かれるEU首脳会議での決定に不透明感が出ている。ハンガリーの反対は、凍結されているEU補助金を引き出す駆け引きの材料との見方があり、翻意させたいEU当局との水面下での調整が本格化している。
 交渉開始は全27加盟国の同意が必要。ハンガリーのオルバン首相は1日、地元メディアのインタビューで「ウクライナのEU加盟交渉の開始は、ハンガリーの国益と一致しない」と改めて反対姿勢を示した。汚職対策やウクライナに住むハンガリー系住民の権利擁護が不十分などと主張している。
 一方、EUの行政機関である欧州委員会は、法の支配が損なわれているとして凍結したハンガリー向け補助金など220億ユーロ(約3兆5000億円)の一部を解除することで懐柔を図る方針だ。11月27日にはEUのミシェル大統領がオルバン氏と会談。2時間を超えた協議の詳細は明かされていないが、その後、欧州委が最大100億ユーロ(約1兆6000億円)の凍結解除を準備していると報じられた。
 ハンガリーは2024~27年のウクライナ支援のための500億ユーロ(約8兆円)に上るEU予算案についても反対。「西側の戦略は明らかに破綻した」(オルバン氏)として、早期の和平協議を含む戦略見直しを求めている。
 ウクライナを侵攻するロシアからエネルギーを調達しているハンガリーは、一貫してロシア寄りの姿勢を取り、EU内で孤立してきた。しかし戦闘の長期化で「支援疲れ」が顕著となり、各国でポピュリスト政党が台頭。EU内の意見集約は一段と難しくなっている。 

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