被爆者、核廃絶の実現訴え=「今が分かれ目」と警鐘―締約国会議 2023年11月28日 07時16分

27日、ニューヨークの国連本部で開幕した核兵器禁止条約の第2回締約国会議
27日、ニューヨークの国連本部で開幕した核兵器禁止条約の第2回締約国会議

 【ニューヨーク時事】核兵器を全面的に禁止する核兵器禁止条約の第2回締約国会議が27日、米ニューヨークの国連本部で5日間の日程で始まった。核の脅威が「冷戦時代レベル」(グテレス国連事務総長)にまで高まる中、現地入りした被爆者らが廃絶の早期実現を訴えた。
 「原爆が人間を滅ぼすか、原爆を無くして人間が生き残るか(今が)分かれ目だ」。初日の本会議に登壇した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の木戸季市事務局長(83)はこう述べ、耳を傾ける各国外交官らに行動を呼び掛けた。
 ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘に言及し「核戦争の危機が高まっている」と指摘。核兵器使用を示唆するロシアのプーチン大統領やイスラエルの閣僚を念頭に、「核戦争が起これば真っ黒の街、死体の山、死の世界が残るだけだ」と警告した。
 会議冒頭に演説した国連の中満泉軍縮担当上級代表(事務次長)も「地政学的状況は悪化の一途をたどっている」との認識を表明。「核兵器による威嚇は決して許されない。使用されないようにする唯一の方法は完全廃絶だ」として、核禁条約の果たす役割に期待を寄せた。
 広島、長崎両市などで構成する「平和首長会議」も27日、国連本部で関連イベントを開催。広島県原爆被害者団体協議会の箕牧智之理事長(81)が「私たちの孫世代以降の人類が安心して暮らせる世の中を残す責任がある」と語り、「ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ」と訴えると、会場からは拍手が起こった。
 核禁条約は核兵器の開発から製造、使用などあらゆる活動を禁じる国際条約。93カ国・地域が署名し、うち69カ国・地域が批准する。核保有国や「核の傘」に頼る日本は参加していない。 

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27日、ニューヨークの国連本部で開幕した核兵器禁止条約の第2回締約国会議で演説する木戸季市さん
27日、ニューヨークの国連本部で開幕した核兵器禁止条約の第2回締約国会議で演説する木戸季市さん
27日、ニューヨークの国連本部で開幕した核兵器禁止条約の第2回締約国会議で演説する木戸季市さん(中央右下)
27日、ニューヨークの国連本部で開幕した核兵器禁止条約の第2回締約国会議で演説する木戸季市さん(中央右下)
27日、ニューヨークの国連本部で開催されたサイドイベントで話す箕牧智之さん
27日、ニューヨークの国連本部で開催されたサイドイベントで話す箕牧智之さん

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