処理水放出1カ月、各国評価へ=IAEA総会、25日開幕 2023年09月24日 14時10分

【ウィーン時事】国際原子力機関(IAEA、加盟177カ国)は25日から、ウィーンの本部で年次総会を開く。東京電力福島第1原発からトリチウムを含む処理水の海洋放出が始まって1カ月が経過し、各国の評価が示される見通しだ。会期は5日間。
IAEAは、独立した立場から処理水放出を監視する。7月、放出計画について「国際的な安全基準に合致する」と結論付けた報告書を公表している。
年次総会には、日本からは高市早苗経済安全保障担当相が出席。安全性や透明性を訴えて、国際社会での一層の理解浸透を図る。
政府レベルでは、米欧諸国のほか、オーストラリア、韓国など近隣国でも理解や容認の姿勢が広がっている。一方、反対を続ける中国は、今月中旬のIAEA理事会でも「核汚染水」だと批判した。ベネズエラなど中国と関係が近い国には歩調を合わせる動きもある。
総会では各国の代表が演説を行い、処理水への言及も相次ぎそうだ。イランの核開発や、ロシアが占拠するウクライナ南部ザポロジエ原発に関する応酬も予想される。
英仏独は今月、イラン核合意の枠組みで解除が予定されていた対イラン制裁を維持する方針を表明した。反発するイランはIAEAのベテラン査察官の受け入れを拒否し、緊張が高まっている。