ロシア軍事会社、精鋭部隊投入か=ウクライナ東部の最前線 2023年03月28日 19時27分

27日、ウクライナ南東部ザポロジエを訪問したゼレンスキー大統領(中央右)と国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長(ウクライナ大統領府提供・EPA時事)
27日、ウクライナ南東部ザポロジエを訪問したゼレンスキー大統領(中央右)と国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長(ウクライナ大統領府提供・EPA時事)

 【カイロ時事】米シンクタンク戦争研究所は27日付の戦況分析で、ウクライナ東部ドネツク州アウディイウカでの作戦にロシアの民間軍事会社「ワグネル」の精鋭部隊が投入された可能性があると指摘した。
 研究所は「疲弊し、質の低い」部隊を支援するためだと解説。過去1週間でロシア側が「限定的前進」を遂げた要因になった可能性があると分析した。ただ、英国防省によると、アウディイウカではロシア軍の装甲車両に大きな損失が出ているという。
 アウディイウカは、親ロシア派の拠点都市ドネツクから約15キロの最前線に位置する。ロシア軍が包囲を狙うドネツク州の激戦地バフムトと状況が似ていることから、「第2のバフムトになる恐れがある」(ウクライナ軍報道官)とされ、26日にはウクライナ当局が住民に退避を呼び掛けた。
 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、南東部のザポロジエ、ドニプロペトロウシク両州を相次いで訪問。ザポロジエでは国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長と会談した。
 ゼレンスキー氏は27日夜のビデオ演説で、訪問先の都市ドニプロで軍幹部と会議を開き「全ての前線の強化と防衛」について協議したと述べ、徹底抗戦の構えを改めて示した。 

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