プーチン政権も被災地支援=ウクライナから反発の声―トルコ地震 2023年02月07日 16時48分

ロシア非常事態省の輸送機=2020年6月、ノリリスク(AFP時事)
ロシア非常事態省の輸送機=2020年6月、ノリリスク(AFP時事)

 トルコとシリアを6日に襲った大地震では、ウクライナ侵攻を継続するロシアのプーチン政権も緊急援助隊を被災地に送った。インタファクス通信によると、モスクワ郊外の空港から同日夜、非常事態省の輸送機3機がトルコへ、1機がシリアへと出発した。
 プーチン政権は被災地支援の一方、ウクライナ各地に空爆を続け、民間人を多数死傷させている。インターネット上では「ロシア軍のミサイル攻撃で大地震と同じように住宅の崩壊が生じている」と反発するウクライナ人もいる。
 トルコには野戦病院を設置し、支援活動を展開。シリアではロシア軍が駐留する北西部ヘメイミーム空軍基地から軍人・軍医を派遣することになった。
 プーチン大統領はこれに先立ち、両国首脳と電話会談。「心からのお見舞い」と支援の用意を伝えたところ、謝意を表明されたという。
 トルコは、プーチン氏が敵視する北大西洋条約機構(NATO)加盟国でありながら、ロシアと比較的良好な関係を維持し、ウクライナ穀物輸出合意などを仲介。一方、シリアのアサド政権は、2015年に内戦に軍事介入したロシアの後ろ盾を得て巻き返しに成功した経緯がある。
 プーチン政権が西側諸国から制裁を受けて孤立する中、被災国がトルコとシリアだったこともあり、トップ会談を通じた支援の調整がスムーズだったもようだ。
 ロシアは周辺国での大規模な災害のたびに、非常事態省の緊急援助隊を派遣。メドベージェフ政権時代の11年、東日本大震災の津波被害を受けた宮城県石巻市でも支援活動を行った。 

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