エルサルバドルに巨大刑務所=4万人収容、東京ドーム35個分 2023年02月02日 09時10分

エルサルバドル中部テコルカに誕生した刑務所=大統領府が1日提供(AFP時事)
エルサルバドル中部テコルカに誕生した刑務所=大統領府が1日提供(AFP時事)

 【サンパウロ時事】中米エルサルバドル中部テコルカに4万人収容可能な「米州最大」(当局者)の刑務所が誕生し、ブケレ大統領が1月31日にツイッターなどで内外に「お披露目」した。敷地面積は約165ヘクタールで、東京ドーム35個分に相当する。
 刑務所には「マラス」と総称される凶悪なギャング組織の構成員らが収容され、兵士600人以上、警官250人が厳戒体制で見張りに就く。視察したブケレ氏は「受刑者は以前(所内に)売春婦を連れ込み、プレイステーションや麻薬、携帯電話、パソコンを持ち込んでいた」と指摘。過去の政権の腐敗や怠慢を非難した上で「これからはそうはいかない」と強調した。
 エルサルバドルはマラスによる犯罪が横行し、世界で最も治安の悪い国の一つとされてきた。治安改善のため昨年3月27日に非常事態を宣言し、構成員ら6万3000人を検挙した。政府によると、昨年の殺人件数は半減した。
 ただ、現地報道によれば、国内20カ所の刑務所の収容定員は計3万人。慢性的な過密状態の解消が求められていた。 

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エルサルバドル中部テコルカに誕生した刑務所を視察するブケレ大統領(右から3人目)=大統領府が1日提供(AFP時事)
エルサルバドル中部テコルカに誕生した刑務所を視察するブケレ大統領(右から3人目)=大統領府が1日提供(AFP時事)

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