8億人超が栄養不良=食料不足解消には7兆円―IMF 2022年10月01日 01時37分

 【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は30日、世界的な食料危機に関する報告書を公表した。8月時点では、全世界で約8億6000万人が栄養不良状態にあると推定。このうち約3億4500万人が深刻な食料不足に苦しんでいると警告し、解消には「今後12カ月で約500億ドル(約7兆2000億円)が必要」と訴えた。
 報告書によると、食料不安は2018年以降、干ばつなどの災害や紛争、新型コロナウイルス禍で高まり、ロシアのウクライナ侵攻で「悪化」した。両国とも農産物や肥料の主要輸出国であり、侵攻を受けて国際食料価格は高騰した。
 報告書は「価格は最近下落しているが、食料不足は悪化する可能性がある」と懸念。サプライチェーン(供給網)の障害や主食の備蓄減などを理由に挙げた。危機の影響が最も深刻なアフリカなどの48カ国に関し、23年までに食料輸入代金が追加で約90億ドルかかるほか、貧困家庭への支援で22年に財政支出が51億~72億ドル増えると試算した。
 その上でIMFは、食料事情の急変で国際収支悪化への対応が必要となった場合、加盟国に「緊急融資を供与する用意がある」と強調。既存の融資枠組みを活用した新たな対応措置を検討中であることを明らかにした。 

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