「メルケル後」めぐり保守混乱=選挙大敗、人事も迷走 2021年10月16日 18時22分

ドイツの保守政党、キリスト教民主同盟(CDU)のラシェット党首=7日、ベルリン(AFP時事)
ドイツの保守政党、キリスト教民主同盟(CDU)のラシェット党首=7日、ベルリン(AFP時事)

 【ベルリン時事】ドイツのメルケル首相が所属する保守政党、キリスト教民主同盟(CDU)が混乱に陥っている。9月末の連邦議会(下院)選挙では大敗。連立交渉で政権獲得を目指しつつ、並行して党首交代を進める迷走ぶりだ。メルケル氏引退が近づく中、党が向かうべき方向性は見えていない。
 「国民や党員の声に反し、執行部はラシェットCDU党首を首相候補に選んだ。その結果の責任は取るべきだ」。現執行部に批判的だったCDUのフォンシュテッテン議員は、時事通信の取材に強調した。ラシェット氏は、CDUと姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)合同の首相候補に選ばれ、選挙戦を主導。世論調査などで人気が高かったゼーダーCSU党首を差し置いての決定だったが、総選挙では過去最低の得票率という惨敗に終わった。
 ラシェット氏を含む執行部は来年初めごろまでに交代する方針を決めたが、第1党となった中道左派・社会民主党(SPD)や緑の党などが進める連立交渉失敗に賭け、次期党首が誰になるか不明なまま、連立政権入りに向けた交渉は続ける方針だ。
 トリアー大学のユン教授(政治学)は「メルケル氏は後継者をしっかり立てられなかった」と指摘する。2018年12月にCDU党首を辞任したメルケル氏の後任として就任したクランプカレンバウアー前党首は早々に支持を失い、就任後1年2カ月で辞意表明。新型コロナウイルスによる党首選延期もあり、次に選ばれたラシェット氏の党首就任は今年1月。総選挙まで8カ月しかなく、基盤固めが難しかった。
 党勢回復に向け声を強めているのが党内保守派だ。メルケル氏は4期16年中3期をSPDと大連立を組み、最低賃金導入や脱原発など、左派色の強い政策を進めてきた。フォンシュテッテン氏はCDUは保守政党として経済政策重視など「原点回帰すべきだ」と訴える。保守派が推すメルツ元下院院内総務は、党首選出馬の可能性が高いとみられている。 

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