米、ロシア送ガス管完成を容認=独はウクライナ支援約束 2021年07月22日 09時31分

ドイツのメルケル首相(左)とバイデン米大統領=15日、ホワイトハウス(AFP時事)
ドイツのメルケル首相(左)とバイデン米大統領=15日、ホワイトハウス(AFP時事)

 【ワシントン、ベルリン時事】米国、ドイツ両政府は21日、ロシア産天然ガスをドイツに輸送するパイプライン「ノルドストリーム2」建設について、米国が事実上完成を認める合意を発表した。米国は、パイプラインがウクライナを迂回(うかい)することや欧州がロシアへのエネルギー依存を高めることを懸念し、建設に反対してきたが、ドイツがウクライナのエネルギー分野支援を打ち出し、姿勢を転換した。トランプ前政権下で悪化した欧州との関係改善を重視した形だ。
 米独政府の共同声明によると、米独は、2024年に期限が切れるウクライナとロシアのガス移送協定の10年延長を支持するほか、ドイツはウクライナのエネルギー安全保障支援などで少なくとも1億7500万ドル(約193億円)を拠出する。ドイツ側は、ロシアがエネルギー供給でウクライナを脅せば、制裁も含む措置を講じると約束した。
 バイデン米政権は既に、ノルドストリーム2の運営会社と経営者への制裁猶予を発表するなど方針転換を示唆していた。国務省高官は記者団に「われわれは、このパイプラインに反対のままだが、制裁は建設を阻止できず、ドイツや欧州の極めて重要な同盟関係を損なう危険があるという判断に至った」と説明した。
 メルケル独首相は、9月の総選挙に出馬せず引退する。同選挙では、ノルドストリーム2に反対する緑の党が躍進する可能性があり、メルケル氏は任期中に決着を図ったとみられる。また、メルケル氏は21日、ロシアのプーチン大統領と電話会談。米国との合意を説明したもようだ。
 石油や石炭より二酸化炭素(CO2)排出量が少ない天然ガスは、脱原発と脱石炭を同時に進めるドイツにとっては重要なエネルギー源。ロシアのエネルギー外交の手段だとの内外からの批判には、メルケル氏は「純粋な経済プロジェクトだ」と反論し、推進の立場を堅持してきた。 

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ロシア産天然ガスをドイツに輸送するパイプライン「ノルドストリーム2」=2020年9月、独北東部ルプミン(AFP時事)
ロシア産天然ガスをドイツに輸送するパイプライン「ノルドストリーム2」=2020年9月、独北東部ルプミン(AFP時事)

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