〔NY金〕続伸、3402.40ドル(12日) 2025年06月13日 05時02分

 【ニューヨーク時事】12日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回り、利下げ期待が強まったことに加え、中東情勢の緊迫化を背景に安全資産としての需要が高まり、続伸した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比58.70ドル(1.76%)高の1オンス=3402.40ドル。
 市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が早ければ9月にも利下げに踏み切るとの観測が一段と強まり、米長期金利が低下。これにつれ為替市場でドルが対ユーロで軟化し、金の割安感が意識された。
 また、トランプ米大統領は11日、「中東は危険な場所になり得る」として米軍関係者の撤収を示唆。イランのナシルザデ国防軍需相はこれに先立ち、同国国営通信などに対し、対米交渉が決裂した場合、中東地域の米軍基地への攻撃を示唆した。中東情勢緊迫化への警戒感が改めて高まり、安全資産としての金に買いが集まった
 トランプ大統領は12日、輸入する自動車に対する25%の追加関税について、「そう遠くないうちに引き上げられるかもしれない」と述べた。10日までの協議で米中両政府が貿易枠組みで合意したものの、米関税を巡る不透明感は依然として拭えず、市場関係者は動向を注視している。

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