〔NY石油〕WTI3日ぶり反落、66.55ドル(13日) 2025年03月14日 05時10分

 【ニューヨーク時事】13日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、激化する貿易摩擦の影響で需給が緩むとの見方が広がり、3営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物は前日清算値(終値に相当)比1.13ドル(1.67%)安の1バレル=66.55ドルだった。5月物は1.11ドル安の66.27ドル。
 欧州連合(EU)は12日、米政権が同日発動した鉄鋼、アルミニウムへの25%の追加関税への対抗策として、4月1日からウイスキーなどの米国産品に追加関税を課すと表明。これに対しトランプ米大統領は13日に米国産ウイスキーの追加関税の方針を撤回しなければ「EUからのワイン、シャンパンなどの酒類に近く200%の関税を課すだろう」とSNSに投稿した。貿易摩擦の激化が世界的な景気減速につながり、エネルギー需要も低迷するとの観測から原油が売られた。
 一方、現行の米つなぎ予算の期限が14日に迫る中で、米野党民主党の上院トップが12日、前日可決した9月末までのつなぎ予算案に反対する意向を表明した。一部政府機関の閉鎖の可能性も意識され、投資家心理が一段と悪化。リスク資産とされる原油に売り圧力が強まった。
 また国際エネルギー機関(IEA)は13日発表の月報で、2025年の世界の供給量が需要を日量60万バレル程度上回るとの見通しを明らかにし、25年の需要見通しも下方修正した。これを受けて、需給緩和懸念も広がった。
 ▽ガソリン=3営業日ぶり反落。中心限月4月物の清算値は1.70セント安の1ガロン=213.31セント。▽ヒーティングオイル=3営業日ぶり反落。4月物の清算値は4.41セント安の1ガロン=216.22セント。

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