〔NY金〕3日続伸、2991.30ドル=史上最高値更新(13日) 2025年03月14日 03時53分

 【ニューヨーク時事】13日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米関税政策や地政学リスクへの警戒感を背景とした安全資産としての金需要が根強く、3日続伸した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比44.50ドル(1.51%)高の1オンス=2991.30ドルと、中心限月の清算値ベースで2月下旬以来約2週間ぶりに史上最高値を更新した。
 欧州連合(EU)は、米政権が12日発動した鉄鋼、アルミニウムへの25%の追加関税への対抗策として、4月1日から、ウイスキーを含む米国産品に追加関税を課すと発表。これに対し、トランプ米大統領は13日、SNSへの投稿で、EUが米国産ウイスキーへの報復関税導入の方針を即座に撤回しなければ、「EUからのワイン、シャンパンなど酒類に近く200%の関税を課すだろう」と表明した。米国と貿易相手各国の貿易摩擦が激化するとの懸念がくすぶり、安全資産としての金買いが活発化した。
 一方、ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、ウクライナが11日の米国との協議で30日間の停戦案を受け入れる中、ロシアのプーチン大統領は13日の記者会見で、必要なのは永続的な平和だとし、停戦案の即時受諾に難色を示したと伝わった。これをきっかけに地政学リスクへの懸念が拡大。相場は上げ幅を拡大し、初の3000ドルに接近する場面もあった。
 インフレの落ち着きを示唆する統計結果も米利下げ期待につながり、相場を下支えた。米労働省が朝方発表した2月の卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいとなり、市場予想(0.3%上昇=ロイター通信調べ)を下回ったほか、エネルギーと食料品を除いたコア指数は前月比0.1%低下と、予想(0.3%上昇)を下回った。

前日からの主な出来事