〔米株式〕NYダウ大幅続落、一時640ドル安(13日午後1時36分) 2025年03月14日 02時43分

 【ニューヨーク時事】13日午後のニューヨーク株式相場は、米高関税政策を背景に激化する通商摩擦が景気の悪化を招くとの懸念からリスク回避の売りが加速し、優良株で構成するダウ工業株30種平均の前日終値比での下げ幅は一時640ドルを超えた。午後1時36分現在は636.17ドル安の4万0714.76ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は392.62ポイント安の1万7255.83で推移している。
 トランプ大統領は13日、SNSに投稿し、欧州連合(EU)が米国産ウイスキーへの報復関税導入の方針を即座に撤回しなければ、「EUからのワイン、シャンパンなど酒類に近く200%の関税を課すだろう」と表明。EUは、米政権が12日発動した鉄鋼・アルミニウムへの25%の追加関税への対抗策として、4月1日からウイスキーを含む米国産品に追加関税を課すと発表していた。米高関税政策の影響で世界経済の成長が減速するとの懸念が投資家心理を圧迫し、ダウ、ナスダックともに売り先行で始まった。
 さらに、現行の米つなぎ予算の期限が14日に迫り、議会審議が注視される中、一部政府機関の閉鎖リスクが意識されているほか、米国を仲介役としたウクライナ停戦交渉の先行き不透明感も市場の重しとなっている。
 個別銘柄では、セールスフォース・ドットコム、ホーム・デポがともに4%超安となり、ダウ平均の下げを先導。半面、ベライゾン・コミュニケーションズが2%超高、メルク、トラベラーズはそれぞれ1%超上伸している。ハイテク関連銘柄では、最高経営責任者(CEO)人事が好感されたインテルが13%超高と急騰。アドビは市場予想を下回る業績見通しが嫌気され、14%近く下落している。

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