〔NY金〕上伸、1997.70ドル(30日) 2023年03月31日 04時25分
【ニューヨーク時事】30日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、ドル下落に伴う割安感を追い風に買いが膨らみ、上伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比13.20ドル(0.67%)高の1オンス=1997.70ドル。
外国為替市場でドル安・ユーロ高基調となり、ドル建てで取引される金の割安感が台頭。米長期金利の指標とされる10年債利回りが軟調に推移したことも、利子を生まない資産である金の買いにつながり、相場は一時2000ドル台に乗せた。
ただ、買い一巡後は上げ幅を縮小。米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を判断する上で重視する米個人消費支出(PCE)物価指数の発表を翌31日に控え、利益確定の売りが出た。
一部の市場関係者は「最近の上昇は引き続き、買いの大半を占めるショートカバーによるもの」と指摘。一方で今後の見通しについては、金利動向やインフレ長期化を巡る思惑を背景に「金価格は今後数カ月で1900ドル近辺に下落する可能性がある」と先安観を警戒する声も聞かれた。