〔米株式〕NYダウもみ合い、38ドル高=ナスダックは続落(28日午前) 2023年03月28日 23時47分

 【ニューヨーク時事】28日午前のニューヨーク株式相場は、もみ合いとなっている。金融システムを巡る懸念がやや後退し地合いは改善しているものの、前日までの3営業日続伸の後を受け利食い売りも出ている。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時現在、前日終値比38.41ドル高の3万2470.49ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は74.71ポイント安の1万1694.13と続落している。
 経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)の事業は、ファースト・シチズンズ銀行が引き継ぐことが決定。金融システム不安が深刻化するとの懸念が和らぎ、投資家のリスク回避姿勢が弱まっている。一方で、3連騰の後で利益を確定する動きもあり、前日終値を挟んでレンジ内での値動きにとどまっている。
 債券市場では長期金利の指標となる10年物利回りが上昇。ハイテク株など金利の影響を受けやすい銘柄を中心に売りが先行している。
 この日に米民間有力調査機関コンファレンス・ボードが発表した3月の米消費者景気信頼感指数は、104.2と、前月の103.4から改善。市場予想(101.0=ロイター通信)を上回った。
 ダウ構成銘柄では、2022年12月~23年2月期(第2四半期)決算で、売上高が市場予想を上回ったウォルグリーン・ブーツ・アライアンスのほか、ボーイング、スリーエムなどが高い。そのほか、事業を電子商取引、メディア、クラウドなど6部門に分割する方針を明らかにしたアリババも上伸。またリフトは、共同創業者のローガン・グリーン最高経営責任者(CEO)が退任し、後任に米アマゾン元幹部のデービッド・リッシャー氏が就任すると発表したことが好感され、買いが優勢となっている。

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