〔米株式〕NYダウ反発、382ドル高=金融システム不安後退で(20日) 2023年03月21日 05時49分
【ニューヨーク時事】週明け20日のニューヨーク株式相場は、金融システムを巡る投資家の懸念が和らぎ、反発した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前週末終値比382.60ドル高の3万2244.58ドルで終了。ハイテク株中心のナスダック総合指数は45.03ポイント高の1万1675.54で引けた。
ニューヨーク証券取引所の出来高は前週末比27億2010万株減の12億9083万株。
スイス金融最大手UBSが19日、経営危機に陥った同業クレディ・スイスの買収を発表した。クレディ・スイスが破綻すれば欧州発の金融危機に発展しかねないとの懸念が広がっていたため、買収合意で市場に安心感が広がった。日米欧の六つの中央銀行が、米ドル供給拡充策の協調実施を決めたことも、投資家心理の改善につながった。
米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)などの破綻をきっかけに広がった信用不安を受けて、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が今週開く金融政策会合で決める利上げ幅が0.25%にとどまるとの見方が大勢となっている。政策金利の最終到達点も下振れするとの見方が広がっており、こうしたFRBのハト派化期待も株価を支えた。
信用不安が重しとなり、ダウ平均はこのところ不安定な値動きを示している。不安が完全に払拭(ふっしょく)されたとは言えず、「当面神経質な取引が続く」(日系証券)見込みだ。
個別銘柄(暫定値)では、米原油先物の反発を好感して買われたエネルギー株が全体の上げをけん引し、エクソンモービルが2.6%高。一部の金融株も買われ、USバンコープが4.5%高、モルガン・スタンレーが1.7%高、JPモルガン・チェースが1.1%高。一方、米長期金利上昇が嫌気されてハイテク株は上値が重かった。マイクロソフトは2.6%安、インテルは2.2%安、アマゾン・ドット・コムは1.3%安となった。