〔東京外為〕ドル、132円台前半=利益確定売り優勢でじり安(7日午後5時) 2023年02月07日 17時29分

 7日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日米金利差拡大観測を背景に1ドル=132円台後半で始まった後は、徐々に利益確定売りが広がり、じりじりと下値を切り下げる展開になった。午後5時現在、132円15~16銭と前日(午後5時、131円76~77銭)比39銭のドル高・円安。
 前日の米国時間は、予想を大きく上回った1月の米雇用統計の強い結果や雨宮日銀副総裁の次期総裁就任打診報道などが蒸し返され、一時約1カ月ぶりのドル高水準となる132円90銭付近まで上値を伸ばした。アトランタ連銀のボスティック総裁が、米国の利上げ幅が再び0.5%に戻る可能性を示唆したことも追い風となった。その後は利食い売りなどに押され、終盤は132円40~60銭台で伸び悩んだ。
 海外の流れを引き継ぎ、東京時間は132円60銭前後で始まったが、上昇ピッチの速さに対する警戒感が強く、利益確定の動きが優勢となる中、鈴木財務相が日銀総裁後任候補者について「承知していない」と述べるとドル売りの勢いが増し、132円20銭台まで軟化。午後も弱含む展開となり、欧州勢が参入した夕方には132円00銭前後まで下押した。ただ、この水準では押し目買いが入り、132円20銭前後に持ち直した。
 米労働市場の好調ぶりから企業業績が上向く可能性が意識され、「過度な先行き悲観論は修正されつつある」(FX業者)という。ただ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の対談を控え、この日のドル円相場は「持ち高調整が主体」(国内証券)になったようだ。ボスティック氏のようなタカ派的発言が出るのかどうか注目されている。
 ユーロは終盤、対円でじり安、対ドルで下げ渋り。午後5時現在、1ユーロ=141円73~75銭(前日午後5時、142円07~08銭)、対ドルでは1.0724~0725ドル(同1.0779~0781ドル)。

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