9月に0.5%大幅利上げも=物価高で軌道修正―欧州中銀 2022年06月10日 07時02分

記者会見に向かう欧州中央銀行のラガルド総裁(中央)=9日、オランダ・アムステルダム(AFP時事)
記者会見に向かう欧州中央銀行のラガルド総裁(中央)=9日、オランダ・アムステルダム(AFP時事)

 【アムステルダム時事】欧州中央銀行(ECB)は9日の定例理事会で、政策金利を7月に11年ぶりに引き上げる方針を決めた。9月には0.5%の大幅な追加利上げを行う可能性も示唆。ロシアによるウクライナ侵攻の影響で想定を超える物価高騰に直面し、軌道修正を迫られた形だ。
 ユーロ圏では新型コロナウイルス禍で落ち込んだ経済が持ち直し、消費者物価指数上昇率が昨年春にECBの目標の2%を回復。その後もインフレは加速を続け、今年5月に過去最高の8.1%に達した。
 ラガルドECB総裁は昨年末まで、「物価上昇は一時的だ」と主張し、「2022年に利上げする可能性は非常に低い」と強調。しかし、侵攻の影響が出始めた今年3月には「早ければ7~9月期に量的緩和策を終了する」と述べ、年内利上げの可能性にも言及した。
 この日の会合では、ECBが7月1日に緩和を終え、同21日の次回会合で0.25%の利上げに踏み切る方針を決定。ラガルド氏は記者会見で、中期的な物価見通しが高止まりするか、一段と上昇すれば、「9月には0.25%以上の利上げ幅になる」と述べ、0.5%の引き上げが視野に入っていることを明らかにした。
 ラガルド氏は「緩やかで持続的な利上げが適切だ」とも説明。ECBは10、12両月も利上げを続けるとの見方が市場で広がっている。
 ECBは当面の物価見通しを上方修正するとともに、経済成長率予想を下方修正した。ユーロ圏が物価上昇と景気後退の「スタグフレーション」に陥るシナリオが現実味を帯び、金融当局の政策運営は難しさを増している。 

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