〔NY石油〕WTI続伸、76.57ドル=約3カ月ぶり高値(10日) 2025年01月11日 06時05分
【ニューヨーク時事】週末10日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米英両国による対ロシア制裁強化の報を受け、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値(終値に相当)は、前日比2.65ドル(3.58%)高の1バレル=76.57ドルと、昨年10月上旬以来約3カ月ぶりの高水準。週間では3.53%上昇した。3月物は2.51ドル高の75.75ドルだった。
米政府は10日、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの追加経済制裁を発表。同国の石油大手ガスプロムネフチ、スルグトネフテガスの2社と各子会社を新たに制裁対象とし、米国内の資産を凍結するほか、米国内外の金融機関との取引を制限する。英国も追随し、同様の措置を取った。
米政府は加えて、西側諸国の制裁を回避してロシア産原油の取引を続ける「影の船団」への取り締まりも強化。取引業者や海上保険会社、タンカー183隻が制裁の対象となり、ロシア産エネルギー輸出に影響が出るとの警戒感が台頭する中、相場は一時77ドル台後半に急伸した。
その後は、利益確定の売りに上げ幅を一部縮小。米雇用・インフレ指標の堅調さを背景に外国為替市場でドルが主要通貨に対して買われ、ドル建て商品の割高感が強まった。しかし、欧米の広範な地域で気温が平年を下回る寒冷な天候が続いており、暖房需要の拡大観測が相場を支えた。
▽ガソリン=続伸。中心限月2月物の清算値は4.66セント高の1ガロン=207.49セント。
▽ヒーティングオイル=大幅続伸。2月物の清算値は12.35セント高の1ガロン=250.17セント。