〔NY石油〕WTI反発、69.83ドル=中東情勢悪化を受け(1日) 2024年10月02日 04時57分

 【ニューヨーク時事】1日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中東情勢の緊迫化を受けて買い進まれ、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物は前日清算値(終値に相当)比1.66ドル(2.44%)高の1バレル=69.83ドルだった。12月物は1.62ドル高の69.39ドル。
 イスラエル軍は1日、イランがイスラエルに向けて複数のミサイルを発射したことを明らかにした。イスラエル軍は同日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点に対する限定的な地上作戦を開始したと発表していた。イスラエルとヒズボラ、イランの間の紛争激化が産油国を含む中東地域全体に飛び火し、供給混乱につながるとの警戒感から原油が買い進まれた。
 ただ、対ユーロでのドル高を背景とした売りや、利益確定の売りも出やすく、高値を付けた後は上値を削った。中国国家統計局が30日公表した9月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は49.8と、景気の拡大・縮小を判断する節目の50を5カ月連続で下回った。中国景気の減速が意識され、エネルギー需要見通しへの警戒感も強まった。
 また、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は翌2日、市場の状況を精査するために閣僚級会合を開く予定。市場では産油政策に変更はないとの見方が大勢を占めているが、イランによるイスラエル攻撃を受けて、OPECプラスの対応が注目されている。
 ▽ガソリン=上伸。中心限月11月物の清算値は3.15セント高の1ガロン=196.66セント。
 ▽ヒーティングオイル=上伸。11月物の清算値は1.98セント高の1ガロン=217.42セント。

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