〔NY金〕上伸、2067.10ドル=3年3カ月ぶり高値(29日) 2023年11月30日 05時21分

 【ニューヨーク時事】29日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米利下げ観測の台頭を背景に買いが強まり、上伸した。この日から新たに中心限月となった2月物の清算値(終値に相当)は前日比6.90ドル(0.33%)高の1オンス=2067.10ドルと、中心限月清算値ベースでは2020年8月以来約3年3カ月ぶりの高値を付けた。
 ウォラーFRB理事は前日の講演で、最近の指標がインフレと景気の鈍化を示しているとして「政策が現在、景気を鈍化させ、インフレ率を2%に低下させる上で申し分ない位置にあると次第に確信している」と指摘。その後の質疑応答で、「ディスインフレが数カ月以上続き、インフレ低下を確信できるなら、政策金利を引き下げ始めることができる」と述べ、利下げの可能性に言及した。これをきっかけに早期の利下げ観測が広がり、米長期金利が低下。金利を生まない資産である金の投資妙味が高まり、このところの騰勢を維持した。また、チャート絡みの買いが相場を支えたとの見方もあった。
 クリーブランド連邦準備銀行のメスター総裁は、金相場の清算値算出後の講演で、連邦準備制度理事会(FRB)の現行の政策金利水準は、経済・金融動向を精査し、見通しに変化があれば素早く行動に移す上で「良い位置にある」との見解を明らかにした。当面は金利を据え置き、様子見する意向を示唆した。
 ただ、高値警戒感から相場の上値は限定的だった。翌30日に発表される米個人消費支出(PCE)を控え、様子見ムードも広がった。

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