〔NY金〕反発、1945.60ドル(22日) 2023年09月23日 03時08分

 【ニューヨーク時事】週末22日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米長期金利の低下を受け、反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比6.00ドル(0.31%)高の1オンス=1945.60ドル。
 米長期金利の指標である10年債利回りは前日に2007年11月以来約16年ぶりの高水準まで上昇したものの、この日は低下。金利を生まない資産である金は買いが優勢となった。
 S&Pグローバルが午前発表した9月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値は48.9と前月の47.9から上昇し、2カ月ぶりの高水準となった。市場予想(48.0)も上回った。ただ、サービス業PMIは50.2となり、前月(50.5)から低下。8カ月ぶりの低水準となったほか、市場予想の50.6も下回った。まちまちの内容だったことから、市場の反応は乏しかった。
 一方、ボストン連邦準備銀行のコリンズ総裁はこの日の講演で、米連邦準備制度理事会(FRB)が今週の連邦公開市場委員会(FOMC)に際し公表した経済見通しで、年1回の利上げと、来年の利下げ回数を6月時点の4回から2回と、一段と緩やかな利下げペースを予想していることについて、「完全に支持する」と明言した。FRBのボウマン理事も同日の講演で、「インフレが依然として高過ぎる」とした上で、目標の2%へ速やかに低下させるには、「追加利上げが必要となる公算が大きいと引き続き予想している」と述べた。複数のFRB高官による金融引き締め継続方針を示唆する発言を背景に米利上げ局面の長期化観測もくすぶり、金の上値は抑えられた。

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