〔東京外為〕ドル、148円台前半=方向感出ず、いってこい(22日午後5時) 2023年09月22日 17時16分

 22日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日銀決定会合を受けても方向感が出ず、1ドル=148円台前半でいってこいとなった。午後5時現在は、148円27~27銭と前日(午後5時、148円25~26銭)比02銭の小幅ドル高・円安。
 午前は、時間外取引での米長期金利上昇などを受けて買いが先行し、147円80銭に接近した。11時すぎに鈴木財務相が「過度な変動に対しては、あらゆる選択肢を排除せず適切な対応」などと円安をけん制すると、147円60銭台に下落。同11時50分すぎに、日銀が金融政策の現状維持を決めると、148円10銭台に上昇した。
 午後は、植田日銀総裁の会見を控える中、147円80銭~148円20銭台で方向感なく、もみ合った。3時半からの会見で植田総裁が「現時点では政策修正の時期や具体的な対応を決め打ちできない」などと述べると、早期のマイナス金利政策の解除観測が後退し、ドル円は148円40銭近辺に上昇。その後、円安について「(政府とも)緊密に連絡を取り合っている」との発言を受けて、148円20銭台に押し戻された。
 前日の海外市場では、引き締め長期化観測による米株安でドル売り・円買いが強まったが、東京市場では買い戻しが優勢となり、下げ分を取り戻す展開だった。
 植田日銀総裁の会見は、「緩和継続も円安に懸念を示すなど玉虫色の内容で、ドル円相場の決め手にならなかった」(外為仲介業者)という。別の関係者は「日米の金融政策会合を通過しても、ドル円は方向感が出なかった」(FX会社)と話している。この後の海外市場で、「植田総裁の会見をどう受け止めるか、見極めたい」(同)との声が聞かれた。
 ユーロは対円、対ドルで下落。仏のPMI悪化を受けてユーロ売りが強まった。午後5時現在は、1ユーロ=157円86~87銭(前日午後5時、157円97~98銭)、対ドルでは1.0648~0648ドル(同1.0654~0655ドル)。

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