〔NY石油〕WTIほぼ横ばい、89.63ドル(21日) 2023年09月22日 04時53分

 【ニューヨーク時事】21日のニューヨーク商品取引所(NYMEX)の原油先物相場は、強弱まちまちの材料を眺めて売り買いが交錯し、ほぼ横ばいとなった。この日から中心限月となった米国産標準油種WTI11月物の清算値(終値に相当)は前日比0.03ドル(0.03%)安の1バレル=89.63ドル。12月物は0.02ドル安の88.32ドル。
 ロシアは21日、旧ソ連構成国4カ国(ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギスタン)以外へのガソリンとディーゼルの輸出を、一時的に禁止すると発表した。同政府によると、同措置の狙いは国内の燃料市場の安定化で、即日発効した。これを受け、需給引き締まり観測が拡大し、午前にかけて原油は買いが優勢だった。
 ただ買いが一巡したあとは、米欧の中央銀行による金融引き締め長期化への警戒感から、取引終盤に売りが優勢となる展開となった。米連邦準備制度理事会(FRB)は前日、連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決定したものの、0.25%の追加利上げが「年内あと1回」との想定を維持したと発表した。英イングランド銀行(中央銀行)も21日、政策金利を据え置いたものの、声明では今後必要に応じて追加利上げを行う方針を示唆した。加えて、この日発表された雇用関連指標が堅調な労働市場を示唆する内容だったことから、利上げに伴う景気減速が石油需要の減退を招くとの懸念がくすぶっている。
▽ガソリン=5営業日ぶり反発。中心限月10月物の清算値は0.07セント高の1ガロン=261.99セント。
▽ヒーティングオイル=反発。10月物の清算値は4.12セント高の1ガロン=336.80セント。

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