〔NY石油〕WTI反落、69.46ドル=4週間ぶり70ドル割れ(30日) 2023年05月31日 05時33分

 【ニューヨーク時事】連休明け30日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米与野党間で合意に達した債務上限に関する法案の審議を控えて警戒感がくすぶる中を反落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は前営業日比3.21ドル(4.42%)安の1バレル=69.46ドルと約4週間ぶりに70ドルを割り込んだ。8月物は3.16ドル安の69.60ドル。
 米連邦政府の借入限度額である「債務上限」引き上げを巡り、バイデン大統領とマッカーシー下院議長(野党共和党)は28日の電話会談で最終合意し、原則合意の詳細を詰め法案化した。債務上限を2025年1月まで適用停止とする一方、引き換えとなる歳出見直しについては、24年度(23年10月~24年9月)と25年度における国防費以外の支出を抑制する内容。米下院規制委員会は30日午後3時に会合を開き、同法案を審議すると発表した。ただ、同法案の議会通過を巡っては難航も予想されている。米国がデフォルト(債務不履行)に陥る可能性への根強い警戒感から、原油相場は午前から売りにさらされる展開となった。
 市場の関心は、世界最大の石油輸入国である中国の国家統計局が31日に発表する5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)や、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が6月4日に開く会合で決定される産油政策にも向いている。
 ▽ガソリン=反落。中心限月6月物の清算値は10.75セント安の1ガロン=259.59セント。
 ▽ヒーティングオイル=反落。6月物の清算値は8.85セント安の1ガロン=228.08セント。

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