〔NY金〕上伸、1977.10ドル(30日) 2023年05月31日 03時49分

 【ニューヨーク時事】連休明け30日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロでのドル軟化や月末要因に伴う持ち高調整の動きを受けて買いが優勢となり、上伸した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前週末比14.00ドル(0.71%)高の1オンス=1977.10ドル。
 外国為替市場では未明からドルが対ユーロで下落。ドル建てで取引される金に割安感が広がり、じりじりとレンジを切り上げた。高値圏では月末要因による持ち高調整の売りが出やすい半面、安値圏では旺盛な買い戻しが入りやすく、金は一時1960ドル台まで上昇。米長期金利が低下に転じたことも、利子が付かない金の買い地合いを支えた。
 一方、米連邦政府の借入限度額である「債務上限」問題を巡り、バイデン米大統領とマッカーシー下院議長(野党共和党)は28日、現行の債務上限適用を一時停止する措置を含む最終合意に達した。これを受けてデフォルト(債務不履行)回避への楽観的な見方が浮上し、安全資産としての金の魅力は幾分後退。加えて、前週公表された堅調な米経済指標を眺めて。米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げ観測や高金利の長期化への警戒感も根強く、利子の付かない資産である金の重荷となっている。こうした中、市場関係者の間からは、次の新規の手掛かり材料が出てくるまで当面は、「弱持ち合いで推移する」と指摘する声が聞かれた。

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