〔NY金〕4日続落、1943.70ドル(25日) 2023年05月26日 03時53分

 【ニューヨーク時事】25日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米長期金利の上昇と対ユーロでのドル上昇を背景に、4日続落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比20.90ドル(1.06%)安の1オンス=1943.70ドル。
 米商務省が朝方発表した1~3月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、季節調整済み年率換算で前期比1.3%増と、速報値(1.1%増)から上方修正された。米労働省が発表した最新週の新規失業保険申請件数は前週比4000件増の22万9000件と3週ぶりの悪化となったが、市場予想は下回った。
 複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官らの相次ぐタカ派的な発言に加え、これらの米経済指標が景気が依然として底堅いことを示唆する内容だったことからFRBによる利上げ一時停止観測が後退し、米長期金利が上昇。金利を生まない資産である金は売りが活発化した。対ユーロでのドル上昇も相場の圧迫要因となった。
 米連邦政府の借入上限額である「債務上限」問題の協議が継続される中、共和党のマッカーシー下院議長はこの日、「(与野党の)協議にいくらかの進展があった」と述べた。またロイター通信はこの日、関係者の話として、与野党協議が若干合意に近づいていると報じた。これをきっかけに、債務上限問題が解決に向かうとの楽観的な見方が広がり、安全資産としての金の売りに拍車が掛かった。

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