〔NY金〕反発、1973.50ドル=11カ月ぶり高値(17日) 2023年03月18日 04時35分

 【ニューヨーク時事】週末17日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米欧の金融システムを巡る信用不安が根強い中、「質への逃避」の買いが膨らみ、反発した。4月物の清算値(終値に相当)は前日比50.50ドル(2.63%)高の1オンス=1973.50ドルと、中心限月の清算値ベースで2022年4月中旬以来約11カ月ぶりの高値となった。週間では106.30ドル(5.69%)上昇。
 米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)など2行の破綻に端を発した信用不安が欧州に波及。米欧金融当局による特別措置で大きな混乱は回避した。ただ、SVBの親会社SVBファイナンシャル・グループが17日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表。これを受けて銀行システムへの懸念は払拭(ふっしょく)されず、リスク回避手段としての金の買いが加速し、相場は1970ドル台で上値を試す展開となった。
 外国為替市場ではドルが対ユーロで下落。ドル建てで取引される金に割安感が生じたとことも相場の追い風となった。
 市場の関心は、21、22両日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)とパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見に向いている。

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