〔NY石油〕WTI反発、90.03ドル(22日) 2023年09月23日 08時23分

 【ニューヨーク時事】週末22日のニューヨーク商品取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ロシアによる石油製品の一時輸出停止に伴う需給逼迫(ひっぱく)懸念が続く中を反発した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値(終値に相当)は前日比0.40ドル(0.45%)高の1バレル=90.03ドル。12月物は0.03ドル高の88.35ドルとなった。
 ロシアは21日、旧ソ連構成国4カ国を除く全ての国を対象にガソリンとディーゼルの輸出を一時的に禁止すると発表した。同国国営パイプライン運営会社トランスネフチは22日に、バルト海と黒海の主要ターミナルであるプリモルスキーとノボロシースクへのディーゼル輸送を停止した。これを受けて、市場では原油供給不足への不安が再燃し買いが先行。相場は一時91ドル台に乗せた。
 ただ、高値警戒感から利益確定の売りが出て、マイナス圏で取引される場面もあった。22日にS&Pグローバルが発表した9月のユーロ圏HCOB総合購買担当者景気指数(PMI)では、ユーロ圏経済が7~9月期にマイナス成長に陥る可能性が示され、欧州の景気先行き不透明感が高まった。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は20日に金利据え置きを決定。ただ、ボストン連邦準備銀行のコリンズ総裁は22日に、年内1回の利上げを「完全に支持する」と明言するなど、タカ派寄りのスタンスを維持した。利上げに伴う景気減速がエネルギー需要の低迷につながるとの懸念から一時売りが強まった。
▽ガソリン=反落。中心限月10月物の清算値は5.81セント安の1ガロン=256.18セント。
▽ヒーティングオイル=反落。10月物の清算値は6.18セント安の1ガロン=330.62セント。

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