3万円が当面の下値 2023年05月26日 14時13分

第一生命経済研究所主席エコノミスト藤代宏一氏
 決算発表で示された材料が投資家の要求を満たしたことや、国内景気の堅調さにより、投資家の株価に対する水準観が上昇した。日経平均株価は今後3カ月程度、3万円が下値の目安となる。
 決算発表では特に自社株買いが好感された。株価純資産倍率(PBR)1倍割れ企業による自社株取得は投資家に魅力的に映った。景気もサービス業を中心に強く、設備投資を通じて製造業にも好影響を及ぼしている。金融引き締めを背景に銀行の経営不安が広がる米国に比べると、日本株は選ばれやすかったのだろう。
 米国のインフレが沈静化していけば、12月ごろにも米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げするかもしれない。一方で、物価上昇が落ち着かないと、利下げは遠のき、金利リスク管理が甘い銀行が悲鳴を上げるなど、金融不安が深刻化するシナリオもあり得る。

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