米景気後退リスクに注意 2023年03月30日 14時14分

JPモルガン・アセット・マネジメント・グローバル・マーケット・ストラテジスト前川将吾氏
 今後6カ月間の日経平均株価は2万5000~2万9000円で推移すると予想する。短期的には株価回復の余地があるが、中期的には米国で景気後退懸念が高まるリスクに注意したい。
 米欧金融当局が金融危機に迅速に対応し、金融システム不安に対する過度な懸念が和らぐことが日米の株価回復につながると考える。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ停止期待が投資家心理の改善をもたらす面もあるだろう。
 一方、利上げ停止観測の背景には米国の景気後退懸念がある。深刻な金融危機が回避できたとしても、中期的には米金融機関の貸し出し態度が厳格化し、投資や雇用、消費などが悪化して景気が冷え込むリスクは高まる。景気後退懸念が高まれば、「世界の景気敏感株」と言われる日本株は売られやすくなる。景気悪化に伴い米金利が低下するなら、日米金利差縮小により円高が進行し、日本株に逆風となるだろう。

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