5月までレンジ相場 2023年03月27日 14時33分
岡三証券シニアストラテジスト山本信一氏
株式市場は足元の欧米の金融不安が実体経済の悪化につながることを懸念しており、当面は日本株の上値追いも限定的だろう。日経平均株価は5月ごろまで振れ幅を伴いつつも、2万5500~2万8500円のレンジ内で推移しそうだ。
現時点では2008年のリーマン・ショック時のように信用収縮が世界的に起きるリスクは小さい。ただ、銀行が融資の判断基準をやや厳格化させることで、景況感に悪影響が及ぶ可能性はある。金融不安が市場の重いネガティブ材料なのは事実だ。
一方、5月以降には米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが打ち止めとなるだろう。国内で新型コロナウイルスの感染法上の位置付けが「5類」に移行すれば、訪日客を含む消費の拡大は確実視される。成長期待の根強い半導体関連の銘柄もけん引し、日経平均は年後半に2万8500円を上抜けていくとみている。