バリュー株優位続く 2023年01月27日 14時22分
フィリップ証券リサーチ部長・笹木和弘氏
銀行や鉄鋼など、純資産や利益との比較で株価に割安感がある「バリュー株」優位の相場が今年も続くだろう。中国の経済再開やコモディティー(商品)相場上昇に対する期待がバリュー株の値上がりにつながるとみている。
株式市場には、今年後半に米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに転じるとの期待があるが、中国の経済再開やエネルギーの供給問題などがあり、簡単にはインフレ圧力は消えない。市場がインフレを許容する方向に変わり、株価純資産倍率(PBR)の低い銘柄の株価が底上げされるとみている。商品相場や新興国株が好調だった2002~07年に近い投資環境となるだろう。
日経平均株価を押し上げる力があるのは成長性の高い「グロース株」だが、インフレに強いとされる株式を見直す動きにより日経平均も引っ張られよう。今年末には3万2000円程度まで上昇する可能性がある。