米、財政赤字削減に本腰=物価抑制でFRBと足並み―コロナ危機対応から転換 2022年05月14日 16時22分

米国のスーパーマーケットで食品を購入する買い物客=4月21日、カリフォルニア州ローズミード(AFP時事)
米国のスーパーマーケットで食品を購入する買い物客=4月21日、カリフォルニア州ローズミード(AFP時事)

 【ワシントン時事】バイデン米大統領が財政赤字削減を進める姿勢を鮮明にしている。新型コロナウイルス禍から経済が力強く回復する一方で、歴史的なインフレの封じ込めが「国内の最優先課題」(バイデン氏)に浮上。財政政策をコロナ危機対応から転換し、需要増に歯止めをかけ、物価上昇圧力を弱める狙いだ。連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めと足並みをそろえる。
 「2022会計年度末(9月末)までに財政赤字を1兆5000億ドル(約194兆円)削減する」。FRBが22年ぶりに通常の倍となる0.5%の大幅利上げを決めた今月4日、バイデン氏はホワイトハウスで演説し、「米史上最大の赤字圧縮」に意欲を示した。
 米国のインフレ率は8%超と、約40年ぶりの高水準で推移。ガソリンや食品などの値上がりが目下、国民の最大の関心事だ。11月の中間選挙を控え、支持率低迷に苦しむバイデン氏は「赤字を減らせばインフレ圧力が緩和される」と強調した。景気回復に伴う税収増も赤字減少の追い風になると見込まれる。
 インフレ高進は、20年以降に相次いで実施された景気刺激策も一因とされる。現金給付などを通じた旺盛な需要に供給が追い付かず、物価高を招いた。米専門家は「振り返れば(経済対策は)明らかに多過ぎだった」(ブルッキングス研究所のウェンディ・エデルバーグ氏)と明言する。
 赤字圧縮が志向される一方、宙に浮くのがバイデン氏の看板政策である子育て支援などを盛り込んだ大型歳出法案「ビルド・バック・ベター(より良い再建)」だ。下院は昨年、同法案を可決したが、上院で与党民主党の一部がインフレを加速させるとして反対し、棚上げ状態となっている。
 バイデン政権は気候変動対策や処方薬価の引き下げなどに的を絞り、実現にこぎ着けたい考え。ただ、「5月末を過ぎれば(議員らの関心が)中間選挙に向かい始める」(政権高官)とされ、協議に残された時間は限られている。 

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