物価高騰、「増税と同じ」=インフレ懸念強まる―米 2021年07月16日 15時27分

米議会上院の公聴会に出席した連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長=15日、ワシントン(AFP時事)
米議会上院の公聴会に出席した連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長=15日、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】新型コロナウイルス不況を抜け出した米国で、物価高への懸念が広がっている。インフレ率は約13年ぶりの高水準に達し、こうした状況が長期化するという観測も浮上。「物価上昇は増税と同じだ」(下院議員)との不安から、インフレを一段と加速させかねない金融緩和策を早期に見直すよう、連邦準備制度理事会(FRB)に対する政治的な圧力が強まってきた。
 「インフレの警告サイレンが大きく鳴る中での量的緩和策は理解不能だ」。議会上院で15日に開かれた公聴会で、パウエルFRB議長は野党共和党のトゥーミー議員から批判された。14日に下院で行われた公聴会でも議長への質問はインフレ関連一色。コロナワクチン接種の進展で景気の回復が進む明るいニュースがある一方で、インフレ加速に歯止めがかかる兆しが見えてこないからだ。
 6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.4%上昇し、約13年ぶりの大きな伸びとなった。変動の激しい食品とエネルギーを除くと、ほぼ30年ぶりの上昇率だ。中古車価格は半導体不足が新車生産に響き、記録的水準に高騰している。
 しかしFRBは、現在の物価高は(1)コロナ危機下での物価下落からの反動(2)経済再開に伴う需要急増(3)原材料や労働力の供給制約―が主因だと説明。あくまで「一時的」な現象であり、時間がたてば大部分の問題は解消されると予測する。
 実際、6月の米航空運賃はコロナ危機下の前年同月比で24.6%の上昇を記録したが、危機前の2019年6月比では9.3%下回っている。見方を変えると、物価はまだ以前の水準に戻る途上だ。
 それでも、公聴会では緩和縮小を求める議員らの意見が続出。パウエル議長は「経済全体で見れば、物価上昇圧力は高まっていない」と反論したが、景気回復で賃金が上昇し、インフレ高進に拍車が掛かる可能性は否定できない。FRBは早期の金融引き締めを迫られるという観測が付きまといそうだ。 

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