米景気、回復の正念場=失速回避へ大型対策―次期政権 2021年01月10日 16時59分

空席となっているニューヨークのレストラン=8日(EPA時事)
空席となっているニューヨークのレストラン=8日(EPA時事)

 【ワシントン時事】新型コロナウイルス危機で悪化した米景気が、回復の正念場を迎えている。改善が続いてきた雇用は8カ月ぶりの悪化に転じた。バイデン次期大統領は失業の長期化による悪影響に強い危機感を募らせており、大型経済対策による世帯や中小企業の支援を急ぐ。
 米労働省が8日発表した昨年12月の非農業部門の就業者数は前月から14万人減少。昨秋以降のコロナ再拡大を受け、レストランなどの娯楽関連産業では50万近い雇用が失われた。失業率は横ばいの6.7%と5月からの低下がストップした。
 中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は同日、「雇用の悪化が続くとは思っていない」と指摘。昨年末に成立した9000億ドル(約93兆円)規模のコロナ経済対策の効果もあり、ワクチン普及が見込まれる今年後半の景気回復を予想した。
 ただ、昨年12月に半年以上も仕事が見つからない人は約400万人と7年ぶりの高水準。人種別失業率では、白人が6.0%なのに対し、黒人は9.9%と大きな差が開いたままだ。失業が長期化すれば、技能や就業意欲も失われ、経済格差の固定化や成長抑制につながりかねない。
 バイデン氏は8日、世帯や中小企業の支援は「長期失業による経済全般の損失を回避する」と強調。景気回復のカギを握るワクチン普及対策費も含め「数兆ドル(数百兆円)規模」に上る包括経済対策の基本方針を14日に示すと表明した。
 支援策で財政赤字が膨らむ恐れもあるが、「経済を支え、労働市場の悪化を防ぎ、成長を加速させる」として、迅速な実行の必要性を説いた。1人最大2000ドル(約21万円)の現金給付などの大型経済対策に意欲を示している。
 だが、身内である民主党のマンチン上院議員は8日、米紙とのインタビューで現金給付に否定的な見解を述べた。同党は議会上下両院で多数派となったものの一枚岩ではなく、新政権にとって包括経済対策の実現は容易ではない。 

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