デジタル通貨、日銀も準備加速=課題山積、実現遠く 2020年10月12日 19時40分

 デジタル通貨をめぐり、各中央銀行の研究が一段と加速している。先行する中国の動きをにらみ、日銀も来年度早期に実証実験を開始することを表明している。しかし、「現時点で発行計画はない」との姿勢は変えておらず、個人情報の取り扱いや安全面など課題は山積。実現への道のりは遠い。
 日銀はデジタル通貨を「現金と同等の機能を持つ決済手段」と位置付け、実証実験では一般の消費者や企業を含む幅広い主体が利用する仕組みを想定。実験は3段階に分け、最終的に民間事業者や消費者を巻き込んだ実地試験も視野に入れる。ただ、実験の終了時期は明示していない。
 日銀は欧州中央銀行(ECB)や米連邦準備制度理事会(FRB)など主要中銀と共同研究を行っている。先にまとめた報告書では、現金や他の民間デジタル通貨と共存し、物価や金融システムの安定を損なわないといった基本的な原則を確認。14日に開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも議題に上る見通しだ。
 しかし、既存の金融システムへの影響や犯罪利用など技術面や制度面での検証はこれからで、「近い将来の発行は難しい」(関係者)との声もある。市民5万人を巻き込んで大規模な実験に踏み切る中国に対し、日銀の対応に出遅れ感は否めない。 

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