長期金利、0.805%に上昇=日経平均は711円安―東京市場 2023年10月04日 15時03分

4日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債(第372回債)の流通利回りが一時0.805%に上昇(債券価格は下落)した。長期金利が0.8%台を付けるのは2013年8月以来、約10年2カ月ぶり。
世界的なインフレ懸念が根強い中、米国の長期金利上昇の影響が日本市場にも波及。国債や株を売る動きが顕著となっている。4日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比711円06銭安の3万0526円88銭と5営業日続落した。
日銀は同日、2日に予告していた臨時の国債買い入れオペレーション(公開市場操作)を実施。金利を抑え込む姿勢を示したが、歯止めがかかっていない。日銀は6日にも臨時の資金供給オペを実施すると追加で通知し、金利上昇をけん制した。
日銀は7月、長期金利の変動許容幅の上限を0.5%から事実上1%に引き上げた。市場では「米金利高が続けば、日本の長期金利も1%に向けて上昇していく可能性が強い」(国内証券)との見方が出ている。
一方、4日の東京株式市場は、金融引き締め長期化への警戒感から米国株が大幅下落した流れを引き継ぎ、全面安となった。日経平均は5月31日以来、約4カ月ぶりに3万1000円を下回って終わった。日銀は4日、上場投資信託(ETF)買い入れを約7カ月ぶりに実施した。購入額は701億円。株価が大幅安となったことに対応した。