年末に3万5000円 2023年09月13日 14時46分
ピクテ・ジャパン・ストラテジスト糸島孝俊氏
日経平均株価は足元で高値もちあいとなっているが、10~11月の調整局面を経て、年末・年明けに3万5000円の上限レンジに向かうだろう。
植田和男日銀総裁が一部報道機関のインタビューで、早期のマイナス金利解除の可能性を排除しない考えを示し、円安効果に歯止めがかかる可能性もある。円安が輸出産業の株価上昇をけん引したが、中間決算が出そろう10~11月には、日経平均は横ばいか、3万2000円割れが予想値だ。
金利引き上げの方向性が見えれば円高に振れ、次は銀行株を含めた内需銘柄主導により全体を底上げする展開になる。
4~6月期の株高の背景には、株価純資産倍率(PBR)が1倍を下回る企業に対する東証の資本効率改善要請などがあった。8月末にPBR水準にかかわらず資本収益性改善への取り組みを求めたのは改革第2弾で、プラスに働く。リスク要因は米中関係だ。緊張の高まり次第では年末上値追いのシナリオが崩れる。