年内にも3万4000円 2023年09月11日 14時41分
第一生命経済研究所主席エコノミスト藤代宏一氏
日本株はじりじり水準を切り上げる方向にあるとみている。日経平均株価は年内にも3万4000円を付けて、今年の高値を更新する可能性がある。
米国では景気後退の恐れは低下しているが、インフレが再燃するシナリオはまだ消えていない。米国の金融引き締めに対する警戒感という株価にとってのマイナス要因は残っている。一方、日本の企業業績は良好だ。日本国内の景気が良く、収益の伸びにつながっているのだろう。原油など資源高の悪影響も前年度に比べれば一服している。名目GDP(国内総生産)の伸びに合わせるように、株価は上昇していくと考えられる。
中国の景気動向には注意したい。日銀の金融政策にもそろそろ目配りが必要だろう。イールドカーブコントロール(YCC)の一段の形骸化や、マイナス金利の撤廃など、矢継ぎ早に緩和政策の修正に動いてくることはあり得る。