最大の関心事は脱デフレ 2023年08月31日 14時41分
野村証券投資情報部ストラテジスト神谷和男氏
株式相場は日本の経済正常化を織り込んで急上昇したが、6月以降は好悪材料が拮抗(きっこう)してもちあい相場に転じている。年後半の最大の関心事は脱デフレに向けて前進できるかだ。年末の日経平均株価は3万4000円を予想するが、消費者がインフレ思考に傾けば3万6000円も期待できる。
日本企業の4~6月期決算は市場予想より上振れ、業績の堅調さが確認された。東証による株価や資本効率を意識した経営の要請も、徐々に企業に浸透し始めている。一方で米経済の先行きは見通しにくく、中国も急速な景況感や日中関係の悪化が暗い影を落としている。
外部環境はそう簡単に好転しないが、年内は日銀の緩和姿勢が変わらなければ、日経平均3万円を割り込むような深押しはない。企業の価格転嫁が進み、マージンを確保しながら好業績を維持できれば、遅くとも7~9月期の決算が見えてくる11月ごろにはもちあいを上放れるだろう。