円、対ドルで横ばいか=FRB利上げ姿勢堅持も―米有力エコノミスト 2023年08月26日 15時01分

【ジャクソンホール時事】有力シンクタンク、ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長は25日、「ジャクソンホール会議」に際して時事通信のインタビューに応じた。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ姿勢を堅持しているものの、円安・ドル高の進行は限定的で、円相場はおおむね横ばい圏で推移すると予想した。
パウエルFRB議長は会議での講演で、「適切であれば一段の利上げをする用意がある」と明言した。米景気が予想以上に堅調で、インフレ圧力も根強い中、ポーゼン氏はFRBが「65%の確率で、(0.25%ずつ)あと2回の利上げを行う」と予想。11月と、さらに12月もしくは来年1月の金融政策会合で追加利上げを決めると見通した。
日米金利差を背景に、外国為替市場では円安・ドル高が進行。米利上げが市場の想定を上回れば、円安に拍車が掛かる恐れもある。だがポーゼン氏は、日銀による長短金利操作の修正などを受け、「円安方向へあらゆる圧力がかかるとは思わない」と語った。
さらに、市場は既にFRBの政策金利据え置きか少々の利上げを織り込んでおり、あと2回上げたとしても「それほど大きな違いはない」と分析。中期的には、日銀も金利を引き上げる方向に調整していくとの見方を示した。