不安後退で水準切り上げ 2023年08月15日 14時47分
三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニアエコノミスト・鹿野達史氏
目先の株式相場は日米の金融引き締め不安から行きつ戻りつだが、秋以降は不安が後退し、水準を切り上げていく流れになる。日経平均株価は年末には3万4000円、年明けには3万5000円が見えてくるだろう。
足元では日銀の緩和修正という見方も出ているが、結果的にはなかなか動けない。米国も金融引き締め懸念はあるが、秋以降はインフレ率低下に伴い、利上げ停止から利下げ観測が強まる。そうなれば実体経済の底堅さが改めて見直され、株価を押し上げよう。
国内の経済環境は良好だ。新型コロナからの経済再開に伴うプラス効果が引き続き見込めるほか、インバウンド需要の持ち直しも期待できる。原油価格などの交易条件改善で企業の収益環境もプラスだ。中長期的には機械や建設、インフラ投資の更新局面にあり、経済は強い動きが続きそうだ。