デフレ脱却は止まらず 2023年08月03日 15時02分

三井住友DSアセットマネジメント・チーフストラテジスト石山仁氏
 足元の相場は日銀の政策修正や米国債格下げなどのサプライズをきっかけに調整しているが、日本がデフレから脱却して、生まれ変わろうとしているうねりは止まらない。年末の日経平均株価は3万5400円を見込むが、上振れすれば3万9000円もあり得るだろう。
 外部環境を見ると、欧米の景況感改善で貿易のモメンタム(勢い)もよくなっている。米経済も企業が増益予想を前倒しで達成する動きが相次ぎ、景気の強さは認めざるを得ない。世界的にも金融引き締めが続くにもかかわらず、過剰流動性の状態にある。
 国内でも当社は2023、24年度は上場企業の2桁増益が続くとみている。株主還元も過去最高水準で、企業が自社株買いで自己資本利益率(ROE)を高めようという動きに変わっている。日銀短観の設備投資計画も下振れておらず、企業の資金余力もある。こうした中長期的な環境変化が日本株にプラスに寄与するだろう。

日銀(最新10件)