金利操作「見直す必要ない」=市場機能は改善―日銀6月議事要旨 2023年08月02日 11時22分

日銀本店=東京都中央区
日銀本店=東京都中央区

 日銀は2日、6月15、16日に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。長短金利操作について、政策委員は「運用を現時点で見直す必要はない」との考えを共有。金利形成のゆがみの解消が進み、市場機能がひと頃と比べて改善していることなどが認識されていた。
 日銀は同会合で、大規模緩和策の維持を全員一致で決定。その約1カ月半後の7月27、28日の会合では、長短金利操作の運用を柔軟化することを賛成8人、反対1人の賛成多数で決めた。
 6月会合である委員は、将来の大規模緩和からの出口局面で急激な金利変動を回避することなどを念頭に、金利操作について「早い段階で、その扱いの見直しを検討すべきだ」と発言。別のある委員も「出口観測が高まった際に金利が急上昇することを極力避ける必要がある」と述べた。金利操作の見直しについて何人かの委員は「意図せぬ金融引き締め方向のアナウンスメント効果をもたらすリスクがある点には留意する必要がある」との見解を示した。
 また、足元で3%台となっている生鮮食品を除く消費者物価上昇率について、多くの委員は「想定よりも幾分上振れ気味で推移している」との認識を示した。物価の先行きについて一人の委員は「2%を超えた水準で高止まるリスクも無視できない」と指摘した。 

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