長期金利上昇、0.6%台=日銀修正で9年ぶり水準―株大幅高、円安進行 2023年07月31日 09時58分

31日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが一時0.605%に上昇(価格は下落)した。2014年6月中旬以来、約9年ぶりの高水準。28日に日銀が大規模金融緩和策の一環である長短金利操作の運用柔軟化を決定。これを受け、国債を売る動きが優勢となり、金利が上昇した。日銀が政策決定する前日まで、長期金利は0.4%台で推移していた。
金利上昇を受け、日銀は31日、臨時の国債買い入れ(公開市場操作)を3000億円規模で実施した。市場では「当面は利回りの落ち着きどころを探る展開が続く」(大手証券)との声が聞かれた。日銀の運用柔軟化は、長期金利の上限を0.5%から事実上1.0%に引き上げた。
一方、東京株式市場では31日午前、前週末の米国株高を受けて幅広い銘柄で買いが先行。日銀の政策修正による円高・ドル安が落ち着き、円安が進んだことも歓迎された。日経平均株価の上げ幅は一時、前週末比600円を超え、7月上旬以来、約3週間ぶりに3万3000円を上回った。午前の終値は503円51銭高の3万3262円74銭。
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