日銀修正で金利急騰=円・株は乱高下―東京市場 2023年07月28日 17時33分

長期金利、円相場、日経平均株価の終値を示すモニター=28日午後、東京都中央区
長期金利、円相場、日経平均株価の終値を示すモニター=28日午後、東京都中央区

 28日の東京金融市場では、日銀が長短金利操作の運用柔軟化を決定したことを受け、長期金利が急騰、円相場や株価は乱高下した。債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが一時0.575%と、2014年9月以来8年10カ月ぶりの水準に急騰(価格は下落)するなど動揺が広がった。
 日銀は、指定した利回りで10年物国債を無制限に毎日買い入れる「指し値オペ」について、適用金利を従来の0.5%から1.0%に引き上げた。決定公表後、10年債利回りは急伸。市場では「今後、どの水準で指し値オペを行うか不明だ。市場は疑心暗鬼となり、手探りの動きとなりそうだ」(国内証券)との声が聞かれた。
 外国為替市場では結果が伝わった直後、円相場が1ドル=138円台前半~141円台前半の約3円もの幅で変動した。午後5時現在は139円72~74銭と前日比26銭の円高・ドル安。
 東京株式市場では、日銀の結果を受けて日経平均株価の下げ幅が一時800円を超えた後、買い戻されるなど荒い値動きとなった。終値は前日比131円93銭安の3万2759円23銭と反落。プライム市場の売買代金は5兆7000億円に膨らんだ。
 市場関係者は「日銀は政策修正をしないと決め打ちしていた人が多かったため、サプライズだった」(大手証券)と話していた。 

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