〔東京外為)ドル、144円近辺=介入警戒で上値重い(28日午後3時) 2023年06月28日 15時23分

 28日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、政府・日銀による介入警戒感が市場に広がって上値が重く、1ドル=144円近辺でもみ合う展開となっている。午後3時現在は、143円95~96銭と前日(午後5時、143円51~52銭)比44銭のドル高・円安。
 きょうの東京時間は、財務省の神田財務官の円安けん制発言を受けて、朝方は143円台後半で上値重く推移した。午前10時半に発表された5月の豪消費者物価指数(CPI)のインフレ指標はやや弱い内容となり、豪中銀による追加利上げ期待が後退。豪ドル円が売り優勢となると、ドル円にも波及しやや下押した。ただすぐに買い戻しが入り、内外金利差を意識した買いに弾みがついて正午前には144円04銭前後まで値位置を切り上げた。
 正午すぎには143円80銭台まで軟化したが、「下値では買い戻しが入りやすい」(FX業者)こともあり、また144円台へ浮上した。その後は、新規の材料不足に加え、「東京時間は介入警戒感が広がりやすく、上値も重い」(国内証券)ため、144円近辺でもみ合った。
 日本時間の今夜予定されているECB(欧州中央銀行)フォーラムでは、植田日銀総裁がパネル討論に参加するが「円買い材料となる発言がなければ、ドル買いの勢いが増すだろう」(先のFX業者)といった予測も聞かれた。
 ユーロは午前に比べ対円、対ドルともに横ばい圏。午後3時現在は、1ユーロ=157円69~70銭(前日午後5時、156円98~157円00銭)、対ドルでは1.0954~0954ドル(同1.0938~0938ドル)。

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