潮目変化の時 2023年06月23日 14時46分

中井アソシエイツ代表・中井裕幸氏
 日経平均株価は約33年ぶりにバブル崩壊後の戻り高値を更新する快進撃を見せているが、潮目の変化の時を迎えた。短期的には外国為替相場の行方がカギを握っていると考える。日経平均は3万1000円台半ばまでの調整もあり得るだろう。
 日米欧の金融政策の違いから、円相場は対ユーロで156円台と約15年ぶりの安値を付け、対ドルでは143円台に下落した。国内の物価上昇圧力の強さや円安再加速の動きが懸念されるにつれ、日銀による長短金利操作の修正や通貨当局による為替介入が具体化するタイミングに入ったのではないか。
 4月以降、現物と先物を合計で約7兆5000億円買い越してきた海外投資家は、4~6月相場の円安と株高とは逆方向のリスクを抱え込むことになる可能性がある。
 日本経済の「脱デフレ」に伴う株式投資の見直しなどで中長期的な上昇には強気スタンスだが、目先は騰勢が一服することになりそうだ。

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