8月にかけ調整 2023年06月19日 14時27分

岡三証券シニアストラテジスト山本信一氏
 東京株式市場は過去2カ月間、企業の経営改革に対する海外投資家の期待を追い風に急ピッチで上昇したこともあり、目先はいったん調整するだろう。日経平均株価は8月にかけて3万1500円程度まで下落する可能性がある。
 企業は、東証から株価と資本効率を意識した経営に取り組むよう要請を受け、自社株買いや増配で応じてきた。海外勢はこれを好材料として既に織り込んだため、7月下旬から本格化する企業の4~6月期決算発表で大幅な上方修正が相次ぐ流れにならなければ、株価上昇の勢いは収まるだろう。欧米や中国の景気が想定以上に落ち込んだ場合、企業業績に悪影響が及ばないかにも留意が必要になる。
 ただ、日本経済に特段の悪材料が目に付くわけではなく、日銀の金融緩和継続もあり、投資環境は良好だ。日経平均は半導体の景気サイクル底入れや自動車の生産回復も背景に、年末に向けて再び高値を目指すだろう。

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